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どうすれば「進捗」を出せるのか

去年の今頃から、ずっと先延ばしにしているタスクがある。

 

そのタスクの「進捗」を出したい。

けれど、頭ではやろうと思っているのに、「通常業務が忙しくて、なかなか作業のための時間が取れない」でいた。

正確には、時間が取れないと言い訳している状態が、しばらく続いていた。

 

先月の頭に、ふと思い立って自宅を片付けていると、

『できる研究者の論文生産術(原題:How To Write a Lot)』という本が出てきた。

 

できる研究者の論文生産術 どうすれば「たくさん」書けるのか (KS科学一般書)

できる研究者の論文生産術 どうすれば「たくさん」書けるのか (KS科学一般書)

 

 

去年の夏頃に買ったままほとんど放置していたこの本に書かれていたのは、まさに「進捗を出す」ための指針だった。

筆者は、時間を「見つける」のではなく、あらかじめ「割り振って」おけと説く。

週に1日でも、月曜から金曜までの平日5日間全部でもよい。執筆時間を規則的に確保して手帳に書き込み、その時間にはきちんと書くこと。最初は、週4時間で十分。(第2章 p.14)

以前にこの箇所を読んだときには「時間を確保する」という感覚がいまいち身についていなかった。過去の自分のやり方を振り返ってみると、特に何も考えず「とにかくやる」式の時間の使い方をしていた。でもそれだと、進捗かメンタルの、どちらかが死ぬ。何も考えずに生きていると無数のタスクが割り込んできて、3つ以上のものごとに優先順位がつけられない自分は全部やろうとするか全部放り投げては死ぬ、を繰り返していた。

「時間を確保する」というのは、たぶん「タスクを割り込ませない」ことなのだ。その時間にそれをやると決めたら、ほかのことはやらない。あるいは、タスクが割り込みやすいような時間帯や場所を避ける。今までは、これが恐ろしいほどできていなかった。

 さて、進捗を出すための時間をあらかじめ割り振ったとする。普段持ち歩く手帳にもちゃんと書き込み、ほかの予定がじゃまをするのを防いだ。これで万全か?

ちっとも万全じゃない。ゴールと、そこまでのプロセスができてないので、せっかく確保した「進捗」のための時間が、混乱と迷走でほとんど無に帰してしまう。そうならないために、目標を立てないといけない。

著者は、以下の3つのステップを踏めば、きちんとした目標を立てられる、と説く。

  • はじめに、確保した時間を1日分まるごと、目標の整理や明確化にあてる(著者は月に1度くらいやるらしい)
  • 次に、目標事項を書き出してみてリスト化し、それらがどれくらいの期間で終わるかに「思いをめぐらせる」
  • さいごに、作業を行う時間帯ごとに、上で列挙した目標事項を小さな単位に分割し、「具体的な目標」をリストアップする

このなかで、最後の「具体的な目標」は「最低200ワード書く」のように、具体的な数値を使ったりして、「何をするのか目に浮かぶようにすること」が重要なのだという。

 

......本書はこのほかにも、「進捗を出す」ことに応用出来そうな、示唆に富んだ内容に満ちていた。論文なんて書かないよ、研究者じゃないよ、という人にも、ぜひ一読をおすすめしたい。